2023/10/20 09:55


コーヒー農園の経営者 レオナルド・スリレオさん(以下、レオさん)は「プリマベラ生産協同組合」の代表を務める。


2013年に設立した同組合は68名の会員がおり、レオさんを筆頭にコーヒーの品質と農家の収入の向上に取り組んでいる。代表となった2017年以降、コーヒー豆をどの生産処理の段階で売買するかを模索した。


コーヒーの種からカップまでの道のりには、栽培・収穫・生産処理・選別・カッピング・出荷/輸送・焙煎・ハンドピック・粉砕・抽出とさまざまな過程を経ており、生産処理においても、主に3種の生産処理方法(①ナチュラル②フォッシュド③ハニー)によって収穫したチェリーを生豆(なままめ)の状態にして選別へと続く。


以前はこの生産処理の途中、「湿ったコーヒー豆」を市場で売買していたという。生産率は順調に上がっていたものの、取引先が一社のみだったことや「湿ったコーヒー豆」にはあまり良い値がつかなかったことを理由に、期待した収益に繋がっていなかった。


生産処理の最終形態である生豆やその先の処理を施した粉砕コーヒーを売ることはどうだろうかと、コーヒーの品質を上げることで農家たちはより良い買い手を求めた。当然ながら生産処理が増えたり、加工したりするためにはさらにコストがかかる。そのコストもカバーできる買い手を。


レオさんはそんな農家の思いを汲み取り、2017年に農家の傍らでバイヤーに転身した。コーヒー農家から「乾燥コーヒー豆」を買い付けるようになったのだ。


「湿ったコーヒー豆」を数日乾燥させてひとまわり小さくなった乾燥コーヒー豆を売ればより値がつく。


2018〜2019年には品質を維持したまま生産量を増やすように農家に働きかけたというレオさん。乾燥コーヒー豆の品質は年々上昇し、現在は生産処理の最終形態である生豆の売買を農家に促している。


これまでレオさんは経営者でありながら無報酬で働いてきたが、コーヒーの品質が向上して買い手がつけば、農家のより良い収益となることに希望を抱く。いつか農家が経営者の報酬についても自発的に考えてもらえるような状態になることを望んでいるが、まずは農家が経済的に豊かになることを最優先に考え、生産量が増えることを願っている。さらに、会員ではない農家が協同組合でコーヒー豆を売ることの価値に気づいてもらえるように会員の働きかけにも期待する。