2022/05/07 12:02

私たちが飲んでいるコーヒーは、コーヒーの木の種子を焙煎して、その成分を抽出した液体です。 コーヒーの木にはコーヒーチェリーと呼ばれる果物が実ります。さくらんぼのようなフルーツです。 実の中には種子があります。この種を乾燥、発酵させたものをコーヒー屋さんが焙煎します。 私たちがよく目にするコゲ茶色のコーヒー豆は、焙煎後の種です。


(コーヒーチェリー)


(コーヒー生豆)

コーヒー農家は、栽培しているコーヒーの木からコーヒーチェリーを一粒ひとつぶ手で摘み取ります。
収穫後は精製と呼ばれる工程を施し、焙煎できる状態にします。その精製後の状態をコーヒー生豆(なままめ)と呼びます。
通常、コーヒーの生産国でコーヒー生豆が作られ、コーヒーを消費する国に輸出されています。

コーヒーを消費する国では、コーヒーメーカーや街のコーヒー屋さんが仕入れた生豆を焙煎しています。
焙煎とは加熱によって粉砕・成分の溶解をしやすくる工程です。焙煎後にコーヒー豆を砕いて、お湯に成分を溶かすのですが、焙煎することでこれらが容易になります。

また、加熱が引き起こすメーラード反応によって豆が持つ甘味・苦味・香りなどの風味が引き出されます。
焙煎豆はハンドドリップや、エスプレッソなどの方法で抽出されます。私たちが飲んでいる焦茶色の液体の正体は、”コーヒー豆の成分が抽出された液体”です。


コーヒーは、気候が温暖で緑が豊かな環境で栽培されます。
コーヒーの育成に適した地域は”コーヒーベルト”と呼ばれ、赤道を挟んで北緯25度、南緯25度までの一帯をさします。
ブラジルやベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピアなどが主要な生産国ですが、その他にも多くの国で生産されています。
多くは生産コストが相対的に安価な途上国ですが、日本でも、沖縄や岡山などの小規模農園で生産されています。


コーヒー農家は、チェリーの手摘み、欠損豆の手作業による除去など繊細さと根気が必要な作業を行なっています。
生産国での骨の折れる作業があってこそ、私たちは美味しいコーヒーを飲めています。